●新発売!止まる車~コピーは「新しい」を伝える



■「あぶない!お前そこのけ」


「ぶつかる!」
 
 

壁が目の前に迫っています。
 
 

「壁、近づいてきた。」
 
 

自動車は同じ速度のまま。
 
 

「まだ、止まらないの?」
 
 

シートにエビ反りになって
沢田研二みたいな顔になります。
 
 

「えー、まだ?
まだ、止まらないの?」
 
 

このままでは、
「ぶつかる!」
 
 

と思った、
その瞬間、
 
 

「あわや」というところ、
壁の直前で
自動車はピタッと止まります。
 
 

「ぶつからなかった。
あー、よかったー。」
 
 

最近テレビのコマーシャルで
よくあるシーンです。
 
 

ブレーキを踏むと
自動車は止まります。
これが従来でした。
 
 

それに、
前方の障害物を見分ける機能が
ついたのです。
 
 

その機能を使って
前方にある障害物を感知して
自動的に自動車が止まるというわけです。
 
 

「すごい!新機能だ。」
 
 

あなたも私も
新しいものに興味を持ちます。
 
 

今まで見たこともない
「物」や「事」だったら
なおさらです。
 
 

ところで、
いつか「古く」なるのに、
「新しい」って
どういう事なのでしょうか?

 
 
 
 

■「新しい」ことは
いいことだという間違い

 
 
あなたは、
こんな事件を聞いたことがありませんか?
 
 
「急発進、オートマ車、
コンビニに突っ込む」
 
 
オートマ車で発進しようとしたら
思いもよらず、
勢いよく動き出したため
どこかにぶつかったという事件です。
 
 
操作が悪かったのか?
自動車が悪かったのか?
それは状況によるのですが、
 
 
オートマ車が新発売された時は
それまでのマニュアル車と違い、
手軽に安全に運転できるというのが
新しかったのです。
 
 
「それを回避するために
前方感知の装置、
着けたんでしょ?」
 
 
確かに、その通りです。
 
 
しかし、
動くときに誤動作するなら
止まるときにも誤動作します。
 
 
むしろ、
危険にさえなっています。
 
 
もし、
高速道路を走っている時に
誤動作して
急ブレーキがかかったとしたら?
 
 
乗っている人は
全員、フロントガラス突き破って
前に投げ出されます。
 
 
後続車は全部追突です。
前方感知のシステムは
ある一定のスピード以下でないと
機能しません。
 
 
「走り出し」にどこかにぶつかるのと、
「走行中」に急に止まるのでは
「走行中」に急に止まるほうが
危険度は上です。
 
 
このことから言えるのは、
新しいからといって
「いい事」とは言えないのです。
 
 
そうではなく、
「新しいこと自体」に、
「いい事」と価値を感じてしまうのです。
 
 
 
 


■「新しい」の賞味期限は買うまで

 
 
前に、
トイレの電球が切れてしまって
電気量販店に行った時の事です。
 
 
ワット数とかよくわからないので
切れた電球を
そのまま持って行きました。
 
 
そのまま見比べながら
探したので同じものは
すぐ見つかったのですが、
その横にバカ高い電球が売っていました。
 
 
LED電球です。
 
 
普通の白熱電球の
10倍ぐらいの値段です。
 
 
明るさの単位も
聞き慣れない「ルクス」、
その横に何ワット相当と
小さく書いてあります。
 
 
寿命、消費電力は違いますが、
機能は同じ、
形も同じ、
製造日も最近です。
 
 
「新製品はどちらでしょう?」と聞かれれば、
当然、「LED電球」と答えます。
私もそうです。
 
 
ところが、
買って家につけたら
「新しい」ということは忘れてしまいます。
 
 
壊れたら
LED電球だったと
思い出すかもしれません。
 
 
LED電球は
思い出すかもしれませんが、
「新しい」は思い出しません。
 
 
「新しい」という価値は
買う時にしか
機能しないことなのです。
 
 
 
 


■今まであったものは古い
私が勧めるものは新しい

 
 
「新情報」、
「新商品」、
「新機能」、
「新発売」、
「新製品」。
 
 
「新」とつくものを見ると胸躍ります。
 
 
「なにが新しいのだろう?」
 
 

「新しいものを持った私は
どんな気持ちになるのだろう?」
 
 

「あれを買えば、
今までと違う新しい私になれる」
 
 
「新しい」を目の前にすると、
自分の中でイメージが張り裂けます。
 
 
しかし、「新しい」とは
おぼろげで、刹那的な言葉です。
すぐ意味のなくなる言葉です。
 
 
自分の持ち物になると
「新」がなくなってしまいます。
 
 
冒頭の言葉から
「新」を抜くと、
 
 
「情報」、
「商品」、
「機能」、
「発売」、
「製品」になります。
 
 
「新」がないと、つまらないですね。
 
 
ところが、別の面から見れば
これがコピー(広告文)の
言葉の力でもあります。
 
 
手元にある広告
何でもいいので見てください。
 
 
要約すると
こんなことが書かれていませんか?
 
 
「今までのものは古い、
私が勧めるものは新しい」
 
 
「新しい」なんて
言ったもん勝ちですね。
 
 
 
 


■「新しい」とは、「意識」の違い

 
 
コピーは、
見ている人に選んでもらうため
買う行動を起こしてもらうため
「違い」を伝えなければなりません。
 
 
違いというのは
「区別」の違い、
「時間」の違い、
「意識」の違いです。
 
 
そのなかの
「新しい」「古い」は意識の違いです。
 
 
意識の違いですので、あいまいです。
 
 
「新しい」といえば、新しいですし、
「古い」といえば、古いです。
 
 
それが最も現れるのが
服の流行です。
 
 
「今年の春はあなたも
青いモテ服で出かけよう!」
 
 
私も少しバブル経験してますので
服にお金使っていたことがあります。
 
 
こんな言葉に乗って
買っていたら大変です。
 
 
それで、
「買ったなー、どれ着ようかな」と思うと、
 
 
「ヨーロッパでモノトーン復活の兆し、
いつまでチャライ服着てますか?」
 
 
「なにー!」
服の流行なんかに付き合っていると
気がおかしくなります。
 
 
「新しい」という言葉は
いい加減で、あいまいですが、
興味をもたれるため
よく使われます。
 
 
いい加減なので使いやすいのです。
「何が」新しいのか?
それを売り手側から決めることが出来ます。
 
 
ここで、重要なポイントは
「新しい」は概念の提示だということです。
 
 
つまり、
あいまいで、いい加減だからこそ
売り手側の
意識のレベルが現れてしまいます。
 
 
「何々だから」新しい価値だ。
その分類基準を示さなければならないのです。
 
 
分類基準である「何々だから」という
理由によって、
その商品の存在意義が変わってしまいます。
 
 
LED電球などは、
新製品として出始めのころは、
 
 
LED電球に変えることは、
省電力で
地球のエコと
温暖化対応に貢献することだ。
 
 
という広告を出していました。
 
 
もうトイレの電球ではないのです。
「新しい」エコツールとして売り出していました。
 
 
「何が」新しいのですか?
 
 

コピーライティングにとって
非常に難しい「問い」になります。
 
 
もし、
あなたが本当に価値を感じて
買った人が幸せになると
思うのであれば、
 
 
刹那的な「新しい」という言葉を使って、
買う時だけの「口実」をコピーで
作ってあげることもできます。
 
 

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「●新発売!止まる車~コピーは「新しい」を伝える」への6件のフィードバック

  1. こんばんは、Keiです。

    コメントありがとうございました(^^)/

    言葉って面白いですね
    「新」が付く付かないのところは
    思わず、「なるほど~」と読んでました^^

    また、遊びに来ますね(>▽<

    応援もしておきます☆

    1. こんにちは浅葉です。

      トリックではないですが
      印象が全然違います。
      読み手はコピーを読むだけでなく
      文を整理しないとダメですね。

      応援ありがとうございます

  2. 浅葉さん、こんばんは^^
    まりやです。

    「新しいの賞味期限は買うまで」
    思い当たる節がいくつかあります(汗)
    “新”が付くだけで、とても魅力的に
    思えてしまうものなんですね。

    応援させていただきます^^

    1. こんにちは浅葉です。

      「新」がつくと
      何でもよく見えてしまいますね。

      いつも応援ありがとうございます。

    1. こんにちは浅葉です。

      「新」の魔力はすごいです。

      いつも応援ありがとうございます。

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