新しい切り口の考え方

「どんな切り口で書けばいいのか?」

切り口は
文章を書く上で最重要。

だから、切り口さえ決まれば
後は自動的に
素晴らしい文章が出来ていきます。

逆に切り口が決まらなければ
手首を切ってしまったように
出血多量です。

文章は死んでしまいます。

スパっとさばいて
おいしくいただくのか、

それとも、

錆びたナイフを無理に押し込み、
さばいたカツオを
グチャグチャ盛りにして
お客さんに出すのか、

それはあなたの切り口次第。

そこで切り口について
考えてみましょう。

最近(2018年3月~5月)、
なぜか立て続けに
世間に衝撃を与える事件が
起きています。

その中でも、現在(2018年5月)、
日本中から注目されているのが、
日大アメフト部危険タックル強要事件です。

まだ、執筆時点で
全容は解明されていませんが、
こんな事件が起こりました。

日本大学(以下、日大)、
対、関西学院大学(以下、関学大)戦の
アメリカンフットボール試合中、
審判のホイッスルが鳴った後にも関わらず、

関学大チームの主力選手に対して
反則タックルを
日大チーム選手が行いました。

反則であるばかりでなく
全く無防御の状態で
背中からタックルを受けたため

その関学大チーム選手は
下半身不随の危険もあったのです。

しかし、不幸中の幸い、
その関学大チーム選手は
復帰することができました。

その反則の経緯が
大問題に発展したのです。

その反則タックルを指示したのが
監督なのか、
それとも選手が独自判断で
していたことなのか、

連日、関係者の記者会見が開かれ
テレビワイドショーでも持ちきりに
なっています。

もちろん表向きスポーツ新聞である
ゴシップ紙もそれに追随しています。

(いつあなたが
この文章を読んでいるのか
わかりませんので

より詳しい情報を知りたいとは
思いますが)

もし、あなたがこの事件を
文章に使うとしたら、
どのような切り口で書きますか?

「切り口って、なんだ?」

そうでした。
肝心の切り口の説明がまだでした。

切り口とは、
正しい、悪いを問うことではありません。

「どのような立場で
物事を評価するか?」
です。

従来、切り口は
「視点」と説明される場合が
ほとんどです。

ですが、見ただけで
評価できませんでしたでは
意味がないのです。

切り口とは
あなたの立場で書けば
あなたの評価になりますし、

他人の立場で書けば
あなたの評価と違う場合もあります。

したがって、切り口とは
立場による評価、
あるいは意見となります。

ただし、その評価とは
主張とその理由が
ワンセットになっている。

それが必要です。

そう聞くと、切り口に対して
随分、気が楽になるでしょう?

何を言ってもいいのですから。

ところが、
何を言ってもいいことが
切り口の落とし穴。

例えば、
日大アメフト部不正タックル強要事件を
見てみましょう。

実にたくさんの切り口で
テレビ番組は作られています。

●アメリカンフットボールとは
どういう競技なのか?
(ルール内であれば
相手がどうなってもいいのか)
●そもそも事件なのか?
(反則タックルを傷害事件にできるのか)
●監督によるパワハラ
●監督責任逃れ
●監督と選手の関係
●監督の指示の出し方
●スポーツの密室性
●「つぶす」の隠語の意味
●大学自体がおかしいと処分ができない
●事件解決順序が違う
●会見での話すメッセージ
(説明の仕方)
●監督の弁明のためのストーリー作り
●危機管理の挽回の仕方
●チームメート
●親の対応
●就職活動中の学生への影響
●日本大学の資金
●日本大学の組織
●事件解明のための訴訟
●試合中の審判の役割

などなどです。

(ドンドン増殖していますので
ほかにもあるでしょう)

これらの切り口から見られるのは
その数だけ
様々な立場の人物がいるからです。

日本でマイナーなスポーツである
アメフトが
こんなにも注目される理由は、
今回の事件に
切り口自体が多かったからです。

切り口の多いことを
別の言い方をすれば、
影響範囲が広いということ。

様々な問題を含んでいて
立場を変えて
別の意見をいうことができます。

その影響度合いが
ある一定量からあふれると
その事件に対する
視聴者の態度に変化が現れます。

今まで他人ごとだったので
高みの見物で、
「やってる、やってる」のような
野次馬であったのが、

事件に関わる登場人物
その関係性などを通じて
日本社会の縮図を
思い出させられる。

そして、事件を通じて
自分自身を見るのです。

言いたくもないこと
自分の考えとは違うことを
会社に属しているからといって
立場の弱い自分が
「やらされて」いる。

その不満をくみ上げるポンプのような
日本人全体が感じる
共感ベースが
この事件にはあります。

見れば見るほど
怒りが湧いてくるのは
視聴者自身の
日ごろの不満をくみ上げてくれるからです。

つまり、単なる
アメフトスポーツ事件ではなく
一つ上のレベルの社会事件として
視聴者にとらえられているのです。

だから、傍観者から
当事者として
事件に参加を始めます。

不満をくみ上げるのは
宅配ピザのように
トッピングだけ変えるようなもの。

連日報道しても
別の切り口にすれば
ドンドンふくらますことができます。

そのため、私のように
商業スポーツに関心のない
むしろ、悪だと思っている層をも
取り込むことができました。

この現象は
ラクビーが一時盛り上がった時の
五郎丸選手の人差し指ポーズとは
切り口の幅が全然違います。

人差し指ポーズだけでは
冷凍焼きおにぎりのコマーシャルに
出るのがいいところでしょう。

それも見る立場の切り口が
スポーツ好きだけと
限定されていて
少なかったのです。

切り口が鋭ければ
鋭いほど
傍観者から当事者に
することができる。

そこで、切り口のするどい
文章とは何か?に話題は移ります。

切り口とは、
「どのような立場で
物事を評価するか?」でした。

そして、評価とは
意見とその理由です。

これを細分化すると

●立場(視点の主)=>誰が?
●事件(対象)=>何にたいして?
●評価(意見)=>主張、理由

になります。

この中の
●立場(視点の主)=>誰が?
とは一体誰なのでしょうか?

これが決まれば
後の●評価(意見)=>主張、理由
は自動的に決まりそうです。

この誰が?とは、
書き手ではありません。

読み手です。

少し前文を思い出してもらうと、

このアメフト事件に関心が
持たれているのは、
日本の会社社会で身につまされている
からと仮定をしました。

だから、弱者が誠実に会見を開き
権力者を追い詰めるストーリーに
共感を持たれます。

そして、できれば、
「助けてあげたい」とさえ
思うようになります。

実のところは
自分自身を投影しているので
自分を助けてあげたいのです。

その人たちが思っているのは
「日大選手が気の毒だ」なので
それを大切り口として主張とします。

炎上を狙って
逆をいうこともできますが
これだけ肯定否定の大差がついた場合、
やるべきではありません。

炎上狙いは肯定否定が僅差の時に
有効です。

「日大選手が気の毒だ」の理由として

なぜなら、
監督からの命令があろうとなかろうと
そんな反則をしたのでは、

今後試合にも出ることできなくなり、
活躍できるどころか
アメフト界から追放になってしまう。

彼は捨て駒として使われ
何も彼にとってメリットがないから。

と話を書けば、
日本の会社社会で身につまされている
大多数がまず反応します。

そして、その誰か?は
大多数から細分化されていきます。

スポーツ精神から、
アメリカでは?、
法律面から、
危機管理から、
相手チーム、
チームメート、親、
彼に監督からの伝言した先輩、
日大大学生への影響など。

どんどん立場の主体を変えながら
細かく移動していきます。

上司の読み手に向けての
切り口であれば、

組織は指示に対して
部下の者が遂行できなければ
大きな仕事は出来ない。

では、日大アメフト事件では
何が問題で、

どういう話し方をすれば
部下のモチベーションをあげつつ
仕事を効率的にしてもらうことが出来るか?
みたいな話であれば

管理者の立場の人は
表向きはけしからんといいつつも
読み手になります。

ですから、切り口とは
独自の新しい見方などではなく
誰に読ませたいかの切り分けです。

するどい切り口とは、
読み手から見て
より自分向けオーダーメイドに感じる
記事になっているということです。

法律の立場から興味あるなら
今までに起こった判例と比較するなどが
あればよりオーダーメイドを感じます。

物事のとらえ方や
考え方に興味がある人は

どのようなロジックで事件を
評価しているかに興味を持っています。

例えば、ホリエモンや橋下徹さんの
意見が話題になるのは、
思考ロジックが面白く
「なるほどねー」となるからです。

物事の切り口は
想定読者の立場からの
見方であることはわかりました。

では、
その想定読者に向かって書く方法に
移りましょう。

その書き方には2通りあります。

想定読者に合わせる場合と
想定読者を合わせる場合です。

まず、想定読者に合わせる場合。

想定読者にあわせるのであれば、
想定読者の特徴を書き出し
視点の主を決定し、

●立場(視点の主)=>誰が?
●事件(対象)=>何にたいして?
●評価(意見)=>主張、理由

の順番で考えていきます。

この場合、あなたの視点ではありませんので
あなたの考えている意見とは
乖離が起こるでしょう。

読み手に忖度するというわけです。

次に想定読者を合わせる場合。

こちらはあなたが言いたいことを
書きたい場合です。

先ほどの項目を逆にします。
●評価(意見)=>主張、理由
●事件(対象)=>何にたいして?
●立場(視点の主)=>誰が?

あなたの反応する事件ニュースを
選び、それにあなたの主張、理由を
考えます。

その後に、
この文章は誰が必要としているだろうか
と考えるのです。

誰が?決定後に
その人のために書いているように
全体を微調整します。

日大アメフト事件のようなときは
書けば書くほど
自分に向けて書いているようになります。

自分を思い出して書きたくなるからです。

SNSでひとり言をつぶやいているような
文章にしないためにも
誰が?を自分から離しましょう。

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